就職・転職活動で求人募集の内容・ホームページ、口コミ・レビューなど、企業の探し方はさまざまです。ただし、実際に入社してみないと実態が分からないことも多く、実はブラック企業だったというケースも。そこで近年注目されているのが、ホワイトで優良な企業に与えられる企業認定制度です。
企業認定は厚生労働省・経済産業省など国の行政機関が行うものがほとんどですが、この記事では、民間団体による企業認定制度について解説します。
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なぜ企業の認定制度が増えているの?
近年、日本では少子高齢化をベースに深刻な人材不足に陥っており、多くの企業が採用活動に苦戦しています。
2024年1月現在の有効求人倍率は約1.3倍。2010年頃より右肩上がりで10年以上続く売り手市場です。就活者は選り好みが可能になり、企業は人を選ぶ時代から選ばれる時代へと変化しています。「いかに採用活動で自社をアピールできるか」が人材確保の要になっていると言えるでしょう。
ただし、自社の良さをアピールしても信用度は測れませんよね。近年では、客観的な視点・根拠のあるさまざまな認定制度を利用し、企業価値を高めて対外的に優良企業と示すことで人材確保に活用する動きが高まっています。
ホワイト企業認定は「企業のホワイト化を総合的に評価する民間認定制度」
ホワイト企業認定を支援する「一般財団法人日本次世代企業普及機構(通称:ホワイト財団)」は、「個人個人が個性と特徴を活かし、はつらつと創造的に働くこと、それを叶える企業であふれ、明日が楽しみに思える社会の実現」を理念に掲げる組織です。
ホワイト企業認定では、以下の3要素を合わせ持つ企業を「ホワイトで家族に入社を勧めたい次世代に残していきたい企業」として認定しています。
①長期に渡り健全な経営を続けられる優れたビジネスをおこなう企業
②従業員が安心して働き続けられるために優れた社内統治をおこなう企業
③時代のニーズに合わせた従業員の働きがい(エンゲージメント)を高く保つ企業
では、認定を取得することで各企業にどのようなメリットがあるのでしょうか。
ホワイト企業認定を取得するメリット・効果は?
ホワイト企業認定を取得すると以下のようなメリットが期待できます。
- 採用活動に大きな成果
認定取得によりレコメンド効果や自社の魅力をわかりやすく伝えることで求職者に対する知名度がアップします。求人メディアとの親和性が高く、教育制度・社風、働きがいを発信しながら、競合他社との差別化も図れます。
- 従業員の定着率UP
ワーク・ライフバランス・人材育成・働きがい・健康経営を把握・確認し改善に取り組むことで、従業員の仕事へのやりがい・モチベーションアップにつながり、人材定着率の向上に役立ちます。定着率アップにより、採用コスト・育成コストをはじめさまざまなコストも削減できます。
- 自社課題の明確化
自社を視覚的な視点で明確化することで、ウィークポイントを効果的に改善でき企業価値を高めることができます。
- 顧客満足度の向上
企業内のガバナンスを強化し企業価値や社員満足度を高めることで、顧客満足度の向上にも大きく貢献します。
- 企業広報への活用
企業のホームページ・パンフレット・求人広告など、さまざまなシーンで認定マークを活用でき、企業の健全性を対外的にアピールできます。
認定を取得することで得られる費用対効果は、限りなく大きいと言えますね。
「ホワイト企業認定」を取得した会社は?
さまざまな分野・規模の企業が「ホワイト企業認定」を取得しています。
ホワイト企業一覧
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 | 株式会社ニトリホールディングス |
株式会社アートネイチャー | 大塚化学株式会社 |
株式会社サンテック | スワロー工業株式会社 |
株式会社オカモトヤ | 株式会社日本動物医療センター |
ヘンケルジャパン株式会社 | 株式会社ゲオホールディングス |
具体的に何を評価する?
ホワイト企業認定は、7つの指標をもとに作成した70の設問から総合的に評価されます。
①ビジネスモデル/生産性
- 自社で行うビジネスが、高い安全性・安定性を有し長期永続が可能である
- 生産性向上の施策を積極的に行いビジネスをさらに推進させている
②柔軟な働き方
- 全ての従業員が働きやすい会社を目指して、就業場所・時間、ライフステージにとらわれない多様な勤務形態を導入している
③健康経営
- 全ての従業員のワーク・ライフバランスの実現に向けて就業場所・時間、ライフステージにとらわれないような柔軟な勤務形態を導入することで、キャリア実現を支援している
- 従業員の健康を重要な経営資源として捉えて、個人の健康増進を企業の業績向上に繋げるための施策を取り入れている
④人材育成/働きがい
- 働く従業員と企業の関係を対等ととらえ、お互いが同じ方向に向かって成長するための取り組みを行い組織力を強化している
- 従業員の育成/能力開発を行い、会社と従業員が同じ方向に向かって成長するための取り組みを行い組織力を強化している
会社と従業員に相互の信頼があり、前向きに仕事を行っている
⑤ダイバーシティ&インクルージョン
全ての従業員がそれぞれの特色/個性/経験等を活かし、活躍できる会社を目指して多様な人材の活躍支援をおこなっている
⑥リスクマジメント
経営を行っていく上で障壁となるリスク及び、リスクが及ぼす影響について事前に対策し、危機発生の回避をするとともに、危機発生時の損失を極小化するための取り組みを行っている
⑦労働法遵守
従業員が安心して安全に働くことができ企業活動を円滑に行うために、労働に関する法律の内容を正しく理解し遵守している。
上記の7項目のうち「労働法遵守」については、満点必須が認定の最重要条件になっています。
その他の認定制度との違いは?
優良企業を認定する制度は、ほかにもたくさんあります。
- 安全衛生優良企業公表制度|厚生労働省
安全衛生優良企業公表制度は、労働安全衛生に関して積極的に取り組んでいる企業を認定し、企業名を公表することで認知度を高める制度です。
- ユースエール認定制度│厚生労働省
ユースエール認定は、「若者雇用促進法」に基づき、若者の採用・育成に積極的で雇用管理の状況などが優良な中小企業を認定する制度です。
- えるぼし認定│厚生労働省
えるぼし認定は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」に基づき、女性の活躍推進に関する項目で一定以上の基準を満たした企業を認定する制度です。
- くるみんマーク・プラチナくるみん│厚生労働省
くるみんマークは、「子育てサポート企業」に関する一定の基準を満たし、認定取得したことを示すマークです。
- 健康経営優良法人認定制度|経済産業省
健康経営優良法人認定制度は、地域の健康課題に関する取り組み、日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実践する大企業・中小企業を認定する制度です。
企業認定には、国が管轄する認定制度と民間が認定する制度の2種類がありますが、「ホワイト企業認定」は他の制度よりも多角的な視点で企業を判定しています。
審査内容・認定までの流れ
「ホワイト企業認定」を取得するまでの流れは以下の通りです。
認定までの流れ
ホワイト財団ホームページにある「ホワイト企業認定審査」から、二者択一形式の質問(7項目/全70設問)に回答します。
点数化された7項目の結果をもとに、自社の状況や弱み・強みを把握します。
審査の段階で認定基準を満たしてる企業は「仮認定」を受け、以下の必要書類を提出後に書類審査へ進みます。
- 審査結果に基づいた根拠書類
- 弁護士・社労士・労働者代表のいずれかのサインがある労働法遵守証明書
- 会計士・税理士いずれかのサインがある財務状況証明書
ホワイト企業認定マーク・ホワイト企業認定プレート・ホワイト企業認定証が付与されます。
審査・認定・更新料
ホワイト企業認定の審査は無料です。認定取得後に初回費用を支払い、それ以降は1年毎に更新料を支払うことで認定が継続されます。
初回審査 | 無料 |
再審査 | 無料 |
認定料 | 20,000円 |
更新料 | 20,000円 |
認定ランクは全部で5種類
ホワイト企業認定には、従業員人数で区分分けした5つのランクがあります。
ランクの決定には7項目の内「労働法遵守」は満点必須です。それ以外の項目は総合的に評価・判断され、認定ランクごとの基準に基づき各ランクの認定が付与されます。
- ホワイト企業認定 regular
- ホワイト企業認定 bronze
- ホワイト企業認定 silver
- ホワイト企業認定 gold
- ホワイト企業認定 premium
「ホワイト企業認定審査」は、回答時間の目安は約15分です。WEBで完結できるため気軽に申し込みできます。質問内容も公開されているので、自社のPRに役立つかをチェックしてみてはいかがでしょうか。
企業選びに悩んでいる人には「ホワイトキャリア」
「ホワイトキャリア」は、ホワイト財団が運営するホワイト企業認定取得済みの企業を紹介している就活応援サイトです。
就活セミナーの開催や就活に役立つ情報・ブログを公開しているだけでなく、求人情報も!就活生・転職先を探している方が自分にマッチする優良企業を見つけるのにピッタリですよ。
働く人だけでなく就活中の人にもメリット大な「ホワイト企業認定」
優良企業に関する認定は、第三者機関の客観的な目線で自社の弱みを把握することで職場環境の健全化を図ることができます。また、自社のアピールポイントを再確認でき、PR・イメージアップにプラスの効果をもたらします。さらに各企業のみならず、就活する側の人にとっても企業選びにも大きく貢献してくれます。
企業のホワイト化を総合的に評価する国内唯一の民間認定制度「ホワイト企業認定」。
取得済みの企業は、456社(2024年2月現在)です。大手有名企業をはじめ取得企業も年々増加しており、今後ますます注目されそうですね。
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